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住まいのいろいろ

2026年9月4日(金)

無垢床 それぞれの特徴

床材は毎日の暮らしに直接触れる大切な素材です。基本的に床は無垢材をおすすめしています。

無垢床の魅力は、何といっても足ざわり。天然木は夏はさらりとして、冬もヒヤッとしにくく、素足で過ごしたときの心地よさがあります。

「無垢床は傷がつきやすく、お手入れが大変なのでは?」と思われる方も多いのですが、そこまで神経質になる必要はありません。飲み物などをこぼしたら拭き取る、普段は乾拭きをする。傷みがあれば必要に応じてオイルやワックスで手入れをする程度です。

無垢材は、傷がついても補修ができ、時間とともに色も変化していきます。傷や凹みも、暮らしの跡として馴染んでいく。ツルツル・ピカピカの床材とは違い、使いながら味わいが増していくのが無垢床の良さだと考えています。

ナラ 硬さと扱いやすさを備えた定番

定番として使ってきたのがナラ材の乱尺張りです。

ナラは硬く、傷や凹みがつきにくい広葉樹。

色味は比較的中間的なので、白い壁に床の色味が映え、他の樹種の家具ともバランスが取りやすいのも特徴です。

また、硬く反りが少ないため、床下エアコンとの相性も良好です。

キャスター付きのチェアでも傷跡になりません。

一方で、密度が高い木なので、杉などの柔らかな木に比べると、冬には少しひんやりと感じることがあります。

タモ|力強い木目と程よい硬さ

タモは、はっきりとした直線的な木目が美しい広葉樹です。

ナラと同じように硬さがありますが、ナラほど硬くなく、程よい密度感と粘りがあります。木製バットにも使われる硬さとスイングできる適度な軽さを備えています。

特に長尺材を使うと、伸びやかな木目が空間の中で美しく映えます。

ナチュラルなインテリアはもちろん、すっきりとした現代的な空間にも合わせやすい床材です。

杉|柔らかさと温もりを楽しむ

杉の魅力は、何といっても柔らかな足ざわりです。

木の中に多くの空気を含んでいるため、冬でも冷たさを感じにくく、素足で歩いたときのふわっとした感触があります。足や膝への負担が少ないのも、柔らかな木ならではの良さです。

その反面、ナラやタモに比べると傷や凹みはつきやすく、水や汚れにも少し気を使います。

ただ、杉は時間とともに表情が大きく変わる木でもあります。竣工時には赤身と白太のコントラストがはっきりしていますが、年月を重ねると全体が飴色へと変化していきます。

写真の床は施工から15年ほどの陽当たりの良い外と出入りのある場所。新しい杉とはまた違った、落ち着いた味わいがあります。

アカマツ・カラマツ|これからの新しい定番

これから積極的に提案していきたいのが、アカマツやカラマツなどの硬めの針葉樹。

パイン材というと、「柔らかくて傷がつきやすい」「節が多い」というイメージがあるかもしれません。

しかし、寒さの厳しい地域でゆっくり育った木材は、年輪が細かく詰まり、適度な硬さと耐久性を備えています。

柔らかな針葉樹ならではの心地よい足ざわりがありながら、床材として必要な強さもある。ナラほど硬くなく、杉ほど柔らかすぎない、その中間のバランスが魅力と感じています。

年月とともに白っぽい木肌から美しい飴色へ変化していきます。

最近ではコンパクトな住まいへの要望が増え、床に座る、寝転ぶ、素足で過ごすといった「床の近くで暮らす時間」が大切になってきた今、私たちは丈夫さだけでなく、触れたときの気持ちよさも床材選びの大切な基準だと考えています。

無垢材と言っても、それぞれに違った良さがあります。

好みや素材の特徴を理解しながら、使い込み、長く付き合っていく、そうすることで将来への楽しみへつながるように思います。

/kaoru